日本の台所「豊洲市場」

2018年築地から移転した豊洲市場には、水産約500社・青果約100社の仲卸会社が存在します。「良い仕入れ・良い業者」を紹介する本サイトでは、豊洲市場で熱い想いを持って働く会社の社長様にインタビューを行っております。

第4弾は幅広い鮮魚を取り扱う「株式会社 吉善」様、直営店が2店舗、そして築地魚河岸にも店舗を構えています。3代目社長の吉橋善伸さんは、高校卒業後に宮城の牡蠣業者のもとへ修行に行くことも検討しましたが、「生のお客さんの声が聞きたい」とお寿司屋へ修行に。その後、浦安に飲食店を2店舗出店、そして現在飲食店と豊洲の仲卸を経営をされてます。「お客様との距離を大切に」先代から受け継いでいる大切なものを教えていただきました。

 


笑顔は絆から生まれる


FC

早速ではございますが、吉善さんについて教えていただけますか?

 

吉橋氏(以下:吉橋)

昭和26年創業で、私で3代目の会社です。地元が浦安でして、事務所と直営店のお寿司屋「すし処 善」と「廻鮮寿司 吉恒」が2店舗ございます。初代は元々浦安で獲れるバカガイやあさりを加工する所から始めました。その売り先が当時の築地だったんですね、その後築地に入ったのが、吉善の始まりです。

 

FC

実は私も千葉に住んでいたの勝手に親近感わいちゃってます・・・。創業当時から受け継がれてきたもの、1つ挙げるならなんですか?

 

吉橋

当初から言っていたのは「笑顔の為に懸命になろう」ということです。お客さんはもちろん、従業員、そしてその家族も含まれています。お客さんや従業員、家族との絆を深めて皆が笑顔になれたら、それが1番だと考えています。

 

FC

確かに皆さん明るく元気でらっしゃいますよね!吉善さんの主な卸先はどちらですか?

 

吉橋

かなり幅広いですが、複数店舗を経営してる企業から夫婦経営の個人飲食店までございます。このコロナの時に従業員に伝えていたのは、「当店はしっかりした品揃えをしておこう!」と。ピークの時は豊洲もシャッター街になってましたが、「個人の飲食店様を大切に、支えるのは僕らだ」と言っていました。

 


大切なのは提案力


FC

コロナ禍でも営業しているお店にとって、仕入れは必須ですよね。実際来られたお客様にはどのようなアプローチをされてらしゃるのですか?

吉橋

仲卸にとって「目利き」はもちろん大切ですが、私はそれだけではないと考えます。どんな時も、魅力を伝える「提案力」が重要だと思っています。

築地と豊洲の違いは、築地はお客さんが来て下さるのが当たり前で、そこに賄い飯などがあり、お客さん同士で情報交換などが出来る環境でした。それがなくなった今、ある種、観光地的な存在になってしまったのは、嬉しい半面悲しいです。だからこそ、当店に買い付けに来て下さるお客様にはしっかり会話をし、ヒアリングしつつ、我々が知っている良い情報をお伝えしたりするんです。僕らは直営店2店舗経営していますので飲食店でどのように使えるのかノウハウがあります。「実際にやってみたらこのようになりました。」と提案してみると、喜んで頂けることは多いですね。そうすると自然とお客さん同士で仲良くなってくださり、そこに「笑顔」が生まれるんです。

 

FC

吉善さんとお付き合いのあるお店はその「提案力」に惹かれるのですね!

 

吉橋

飲食経験がないお店さんで今や繁盛店になったお店さんもあります。僕らの提案がお店の発展に繋がるのはうれしいですね。逆に、魚の固定概念がないからこそ、お店さんのアイディアに驚かされることもありましたけどね(笑)お互い勉強というか「良くしよう」という想いと想いが近いと思います。

 

FC

取引先の飲食店さんはどのようなお店ですか?

 

吉橋

業種も単価も幅が広いです。寿司屋、高級割烹から回転寿司、居酒屋まで、幅が広いからこそ色々な提案が出来るのが強みです。場所は豊洲周辺は多いですが、遠いところだと沖縄。海外では、アメリカ・香港・台湾・シンガポール・タイなどにも出しています。築地の時もそうでしたが、現在も入口に近い場所なので、色々な方の目に留まって頂きやすいのもその理由かもしれません。

FC

商品の取扱いで意識されてることはありますか?

 

吉橋

飲食店の幅が広いからゆえ、1つの品物でも色々な産地を置くようにしてます。そうすることで、お店の特徴に合わせて選んで頂けますし、ランチとディナーで買い分けているお客さんもいらっしゃいます。お客さんは飲食店の方だけでなく、一般の方もいらっしゃいます。嬉しいことに、友達の子供の親友の親御さんみたいな横の繋がりも非常に多いです。

 


直営店も築地魚河岸も行きつくところはお客様との距離


FC

築地魚河岸にも店舗がありますが、やはりお客さんとの距離を大切にされたい想いがあったのでしょうか?

 

吉橋

そうですね。当時からのお客さんもそうですが、やはり利便性が良いですし、魚河岸で揃わないものは豊洲から送ることができるので、中継地点にもなります。さらに、販売員がいるので、ゆっくり相対が出来るということもあります。事前に注文していただくことで準備もできますが、目で見て選びたいという多くの方は馴染みのある築地まで足を運んでくださいます。魚河岸の強みも品揃えの良さですね。お客さんが買いに来て、がっかりさせてしまうことはないようにと徹底してます。

 

FC

直営店である2店舗についても教えてください!

吉橋

「すし処 善」は20年、「廻鮮寿司 吉恒」は15年になります。お客さんと直接交流を深めて、「声」を聞きたいという想いから始まりました。

立地も東京ディズニーランド、ディズニーシーが近く、店の隣にレストランがないホテルがあるので、常連のお客さんとディズニー帰りで宿泊されてる新規の方にもご来店頂いております。早い時間はもちろん、ディズニー終わりの夜9時過ぎにも満席になったりすることも多いですね(笑)

このご時世なのでテイクアウトも行っています。「すし処 善」ではコロナに負けるな!と海鮮丼や鉄火丼、煮穴子丼などの9種類を600円(税込)で提供しました。その取り組みを朝日新聞さんに取り上げて頂きました。市場で品揃えを意識していても、やっぱり人がいなきゃ売れないので、せっかくの機会だし、もっと地域の方々に貢献できる動きをしたかったんです。

 

FC

素晴らしい取り組みですね!今後の吉善さんの夢はなんですか?

 

吉橋

原点に戻りますが、我々と関わる飲食店さんとその先のお客さん皆が「笑顔」になることですね。この想いはブレずに、続けていきたいです!

 

FC

その想いがあるからこそ、お客さんとの距離感を大切にされていらっしゃたのですね。本日はありがとうございました!

 

【会社情報】

会社名:株式会社 吉善

住所:〒135-0061 東京都江東区豊洲6-5-1

電話番号:03-6633-4180

【取り扱い商品】

■鮮魚・貝類

ウニ、カキなども

※商品の詳細は店舗にご来店・お問い合わせください。