日本の台所「豊洲市場」2018年築地から移転した豊洲市場には、水産約500社・青果約100社の仲卸会社が存在します。「良い仕入れ・良い業者」を紹介する本サイトでは、豊洲市場で熱い想いを持って働く社長様にインタビューを行っております。
第13弾は、多種の海老をメインに扱い、貝類も卸している「株式会社三栄水産」です。種類が多いからこそ、それぞれのカテゴリーに分かれてプロフェッショナルな人員を配置し、お客様へ対応しています。一般の方にも手軽にと築地魚河岸にも店舗を構える当店。時代の変化で海老の求められ方も変化があるとおっしゃいました。そんな海老のプロフェッショナル集団の三栄水産の浦井敏雄社長にインタビューいたしました!
3社が合わさって海老の専門店に
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「三栄水産」の歴史について教えていただけますでしょうか?
浦井氏(以下:浦井)
昭和25年創業で、今年で70年目になります。父親の代から始まり、私で2代目です。種類の違う海老を扱っていた3つの仲卸が合わさって、今の「三栄水産」になりました。私は家業に入る前は横浜の市場で2年ほど働いておりました。
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そうだったんですね!どのような種類の海老の取り扱いがあるのですか?
浦井
海老ならなんでもありますよ!伊勢海老、ロブスター、車エビ、甘エビ、ボタン海老、冷凍物もございます。種類によってセリも変わりますので、各種類に専門のスタッフを置いて、責任をもって担当させています。今ではエビだけではなく貝類も置いております。
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そんな「三栄水産」さんの海老を購入する人はどのような方が多いのでしょか。
浦井
飲食店の方もいますが、仲買さんが多くを占めております。なので築地の際は定期的に店舗移動があり、場所によっては売り上げに左右されるなんとこともありましたが、我々は比較的影響は少なかったです。
飲食店でいうと、お寿司屋さんや天ぷら屋さん、そして洋食や中華屋さんもおります。海老はメインにはなりずらいですが、サブでいろいろなジャンルの料理に使えますからね。単価も安価から高価まで幅は広いです。
本物の海老とは・・・
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確かに海老って我々の生活の中で身近な食材ですよね!そんな三栄水産の強みはなんですか?
浦井
やはり、各種類に専門の担当を備えているということです。海老に関わらず、このように専門的にスタッフを配置してるのは稀だと思います。各担当がセリから店頭販売まで行い、価格なども自分たちで設定できる仕組みにしているので、従業員も責任感があるんです。
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それはとっても心強いですね!新規の取引先はどのように広げてらっしゃるんですか?
浦井
基本的には各セクションのスタッフがお客さんとお話し、そこから始まります。お客さんも口コミだったり、紹介などで知っていただくことが多いようですね。
そして先ほども話したように、1つの種類の海老にプロフェッショナルな担当がいるので、お客様にとっては安心感に繋がってくるのかもしれません。
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その背景が今に繋がっていらっしゃるんですね!売れ筋のエビを教えてください。
浦井
時期などによって違いはありますが、量的に売れるのは冷凍物です。目方的に出ているのは車エビやボタン海老です。昔は伊勢海老を占める割合が多かったですが、時代の変化によって少しずつ変わっていますね。
スーパーさんでも養殖の海老を大量に冷凍して販売していらっしゃったり、時代も変わって自宅で揚げ物をしなくなってますよね。最近のお子様は本当の味を自宅で楽しみにくい状況があったり、海老フライを食べなくなって来たのかもしれないです。親御様にとっては下処理も大変な作業ですからね・・・。逆にいうと、外食で1番喜ばれるのは海老なのではないでしょうか。特別な存在になってきてるのだと思いますよ。弊社でも年末になると毎年同じ方が同じ注文をしに来てくれたりします。
FC
それは嬉しいですね。魚河岸にも出店されていらっしゃいますが、どのような利用の仕方をされているのでしょうか。
浦井
魚河岸の店舗は、販売の量を細かくすることによって、一般の方が喜んで購入してくれるのが特徴的です。中でも土曜日は一般のお客様が多いです。
本来の市場の形に戻したい
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一般の方にも需要があると、身近に感じますね。築地から豊洲に移転しましたが、大きく変わったことはありますか?
浦井
お客さんの数は少なくなったのかなと感じます。築地の時は一歩市場を出れば銀座や新橋など色々な場所がありましたからね。さらに豊洲の作りは縦に伸びているので、市場としては難しい作りですよね。
FC
それは確かにそうかもしれません・・・。浦井社長にとって、「仲卸」ってなんですか?
浦井
荷受けさんは売りに来てくれるし、お客さんは買いに来てくれますよね。それは本当に幸運な立場だと思っています。もちろんそこにセリがあるわけなので、我々の価値がそこで出てきますね。
FC
会社として大切にしていらっしゃるもの、そして今後も続けていきたいものはございますか?
浦井
そうですね、月並みですが「信頼」です。我々とお客さんともそうですが、従業員同士も同様です。私がスタッフを信頼しているからこそ、責任感をもって販売してくれますし、そのスタッフから買ったお客さんも安心していられますもんね。
そこの関係を引き続き続けていくこともそうですが、基本に戻ると、本来の市場の形に戻したいという気持ちはあります。やはり対面販売に力を注いでいくことです。そのためには努力を惜しまないことですね。市場は良いものだけを販売していてもダメなんです。それぞれのお客様に合った品物を合った価格でできるだけ販売しきる事がとても大切なんです。
FC
それも各ポジションにプロがいるから出来ることかもしれませんね!貴重なお話お聞かせいただきありがとうございました!
会社情報
会社名:株式会社 三栄水産
住所:〒135-0061 東京都江東区豊洲6-5-1
電話番号:03-6264‐2247
【取り扱い商品】
■海老・貝類
伊勢海老、ロブスター、車エビ、甘エビ、ボタン海老、冷凍物
※商品の詳細は店舗にご来店・お問い合わせください。