日本の台所「豊洲市場」

2018年築地から移転した豊洲市場には、水産約500社・青果約100社の仲卸会社が存在します。
「良い仕入れ・良い業者」を紹介する本サイトでは、
豊洲市場で熱い想いを持って働く会社様にインタビューを行っております。

第3弾は良質なマグロを適正価格で取り扱うことを重視している「有限会社石司商店」様。近海を中心に、天然ものの本マグロを扱っていらっしゃいます。中でも「生産者を守る」ことを大切にされており、店頭には漁船名の札や漁師の顔が見える動画まで流れているのです。その想いのバトンを受け継いだ三代目、専務の篠田貴之さんにお話を伺いました。

 


「目利き」は一言で表せられない


FC
本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、石司さんの歴史をお伺いできますか?

篠田氏(以下:篠田)
弊社は先代から養殖ではなく、天然ものの本マグロをメインに扱っております。良質なマグロを適正価格で販売するということを掲げております。私で三代目でこの世界には18歳から入ったので約30年経ちます。

FC

石司さんを仕入れ先としているお客様はどのような層ですか?

篠田
ミシュランを取得してたり、食べログでも上位のお店さんが多いです。ホテルや割烹屋さん、中でもお寿司屋さんがメインです。
私たちはマグロのプロとして自信を持って「良いマグロ」をご提供させて頂いておりますが、一概に「良いマグロ」と言っても、お店独自の客層や客単価、店主様の好みもありますよね。そこをしっかりヒアリングした上で、1番合ったものをご提案させて頂くというのが私の役目だと思っています。お客様はお寿司・飲食店のプロ、職人ですからね。
例えばお寿司屋さんであればどんなシャリを使っているのか、更に敢えて店主の好きなお寿司屋さんを聞いたりもします。マグロのプロとして、その答えにあった物をお伝えするんです。

FC
各店舗に合わせてご提供されていらっしゃるということは、セリをするときも大変そうですが、意識されてることはありますか?

篠田
そうですね。ヒアリングで分かったお店の好みを把握した上で、それに近いものを「目利き」で探してくるということです。私たちが思う「目利き」は良い品質を探すのも勿論ですが、味や身の柔らかさ、香りまで見極めています。そこを信頼していただくことで、『品質は任せるよ!』とおっしゃって下さる関係性を作っているんです。

FC
香りまで・・・。そこまでのレベルに達するには並大抵ではいかないですよね。

篠田
今一緒に働いているスタッフはそこを培っているプロ集団です。とはいえ、若い者も入ってくる中で、基本はしっかり教えます。しかしその先は正直、感性やセンスだったりするんです。学ぶ至誠をしっかりもち、分からないことは素直に聞いてくれれば、しっかり応えます。人間誰だって0から始まりますからね。そこを恥ずかしがらずに聞いてくれる者は、グンと成長していきます。そして彼らがもっと成長して、マグロ屋になってくれると、私も嬉しいですね。

 


生産者を守りたい!その想いには…


FC
熱い想いが伝わってきます・・・

篠田
本当に熱いくらいじゃないとやってられないですよ。(笑)入荷が潤沢ではない日もありますし、逆にマグロは毎日顔が違うわけなので、お客様のオーダーに合った物を追い求めるのも、神経を張っています。しかし、私は生産者の想いをしっかり届けたいんです。

FC
この漁船の名札や、漁師さんたちの動画はそういった意味があったんですか!?

篠田
はい。漁師さんの中でも多種多様で釣っていらっしゃる方たちも多い中、ここに掲げている船の漁師さんは品質にとてもこだわっている方たちなのです。マグロを「釣っている」というより、処理や保存の仕方を見ると「つくっている」とも言うべきでしょう。苦労されているのは私も見ているので、安価で提供することも出来る中、それをしないのは漁師さん達に日本の文化を守って欲しいし、続けて欲しいという想いからです。彼らたちの為にも適正価格で提供することを大切にしています。その為にはいい流れを作る仕組みが必要だと思います。ですので、魚の選別もですが、彼らたちの見えない努力をお店に伝えるのも、私の大切な役割です。これは「自信」と「誠実」さがないと出来ないことです。

FC
そんな石司の想いに協賛する飲食店オーナーさんも多いかと思いますが、新規のお店はどのように増えていらっしゃるのですか?

篠田
基本的にお寿司屋さんは、気軽にマグロの卸先を変えたりはしないんです。逆に変えるときは、ある程度の覚悟を決めている方かと思います。そのため、もともと弊社を取り扱ってくださってたお店の方が独立する時などが多いですね。更にメディアを通して発信された時に、共感して頂き、ご連絡して下さる方もいらっしゃいます。私も熱い人間なので、面白いことに、同じかそれ以上に熱い方たちが多いですよ。

 


一生マグロ屋でいたい


FC
そこから石司の想いを受け継ぐお店さんが増えていくわけですね。今後は石司さんが掲げる「夢」ってありますか?

篠田
約30年間この世界にいますが、私の中で変わらないことは【最後までマグロ屋でいたい】ということです。時代の流れで資源が少なくなったりして、当時あったマグロ屋は今はほとんどなかったりするんです。そこを貫く為には、先程お話したように、良いものを適正価格で販売するという軸からぶれずに、貫き通したいです。

FC
消費者としてお店に行って、マグロを口にするまで、これだけの強い想いがあることがよく分かりました。貴重なお話を、ありがとうございました!


 

【会社情報】

会社名:有限会社石司商店

住所:東京都江東区豊洲6-5-1

電話番号:03-6633-5142

【取り扱い商品】

■マグロ

※商品の詳細は店舗にご来店・お問い合わせください。