日本の台所「豊洲市場」

2018年築地から移転した豊洲市場には、水産約500社・青果約100社の仲卸会社が存在します。「良い仕入れ・良い業者」を紹介する本サイトでは、豊洲市場で熱い想いを持って働く会社様にインタビューを行っております。

 

第5弾は、スーパーやチェーン店ではなく、個人店向けに冷凍マグロを卸す「有限会社大四郎」さんです。日本橋時代から始まる歴史を繋げるべく、25歳の時に業界入り。自分たちに出来ること、出来ないことをしっかり伝えた上で取引を始めるとのこと。そんな「大四郎」さんの冷凍マグロのメリットとは!?社長の息子様、鴨下様にインタビューです。


周りに比べたら遅かった業界入り


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本日はお時間頂き、ありがとうごいます!それでは「大四郎」さんの歴史をお伺いできますでしょうか?

 

鴨下氏(以下:鴨下)

元々は私の曾祖父からはじまり、日本橋時代から続く仲卸です。私は25歳位の時にこの業界に入りました。周りに比べたら遅いかもしれません。当時はバブルが弾けて経済も混乱があった時期でした。将来この世界に入るならしっかり他も勉強したほうが良いと父に言われ、自分の店に入る前に4年ほど他店で修業をしました。

 

FC

お父様の存在は大きいですね。先代から冷凍マグロを取り扱っていらっしゃったのですか?

 

鴨下

曾祖父の時代は箱もの屋でしたね。父は祖父の代からマグロ屋で働いていたので、「大四郎」を引き継いでからもマグロ一本でした。


個人店に卸している理由


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取り扱っているマグロの品種や取引先はどのようなところですか?

 

鴨下

インドマグロ、メカジキ、メバチマグロなどで、母体は40kgくらいの冷凍マグロです。店頭に機械もあるので、加工も行っています。

取引先は主に魚屋やお寿司屋、居酒屋など幅広いですよ。客単価5000円〜7000円のお寿司屋さんの多くはインドマグロを好む傾向にありますね。チェーン系の飲食店には卸しておらず、ほとんどが個人店です。

 

FC

チェーン店やスーパーに卸していらっしゃらない理由はあるのでしょうか・・・?

 

鴨下

そういった所に卸す事によって、個人のお客さんは離れていってしまうんです。お取引ある魚屋さんは、我々がスーパーにも卸してしまうと、いくら違う品質のマグロだとはいえ、それを嫌がるお客さんは多いです。魚屋さんはスーパーと価格で勝負しても難しいので、スーパーにはない品揃えだったり、品質で勝負する必要があります。私たちはそのお手伝いをしたいと思っています。

 

FC

そういうことだったんですね!鴨下さんがセリをするときに気を付けていることはなんですか?

 

鴨下

これはどの仲卸も思っていると思いますが、取引先の相場と、好みの魚を選ぶということです。色が薄くても、脂があれば良いという方もいらっしゃいますし、その逆もいます。個々のお客様に合ったものを選ぶのが僕たちの役目です。先方とは、金額面で我々が出来ること、出来ないことを先にしっかり伝えてます。出来ないことを頑張って了承しても、後から苦しくなるのは自分たちですからね。極端に言うと、一番良い部位だけ欲しいと言われても、我々は対応出来ないので、丁重にお断りしたりもします。

 

FC

「大四郎」さんに注文する際、最小限のロットを教えてください。

 

鴨下

キロで承ったりしますが、周りの残った所などが売り様が無くなってしまいますので、スーパーさんの様にサク単位で販売することなどは出来ないです。マグロを輪切りにするような注文なら厚さ何センチでも対応できるんですけどね(笑)


品質の安定


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冷凍マグロって価格が安定しているイメージがありますが、実際はどうですか?

 

鴨下

そうですね、生マグロの様に今日と明日で雲梯の差ということはありませんが、価格は徐々に変わっていってます。それが1週間ごとの時もありますし、長引くこともあります。

 

FC

ぶっちゃけて聞いちゃいます!「大四郎」さんで注文するメリットってなんですか?

 

鴨下

そうですね、品質の安定ですかね。品質と言っても、先程の話にもなりますが、自分の取引先の好みに合わせるということかと思います。今日は凄く良いけど、次の日は全然ダメなんてのじゃ、お客さんはどんどん離れていってしまいますからね。その波があるより、平均して使えるものが手に入る方が安心できますよね。

 

FC

そんな「大四郎」さんの品質を求めて新規の方が来る際は、どのような手順になりますか?

 

鴨下

「〇〇ありますか?」と店頭に来て下さる方が多いです。地方の方だったり、関西方面の方は東京のマグロを求めていらっしゃると思うんですが、なかなか自分の店見ながら関西まで営業しに行くっていうのは難しいですよね。

築地から豊洲に移動した時多くの年配の方は引退されたので、今は自分が出来ることをやる方針です。


仲卸とは、フィルター役


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最後に、鴨下さんにとって仲卸ってどんな職業ですか?

 

鴨下

魚を選別することに関しては、誇りをもって働いていますので、フィルターの役目ではないでしょうか。選別して、お客さんに合うものに振り分けるということです。マグロはセリがあるからこそ、我々仲卸の存在価値がありますよね。

 

FC

そのフィルターが、我々が安心して美味しいマグロを食べられる理由ですよね!本日はお忙しい中、ありがとうございました!


【会社情報】

会社名:株式会社 大四郎

住所:〒135-0061 東京都江東区豊洲6-5-1

電話番号:03-6633-4600

【取り扱い商品】

■冷凍マグロ

インドマグロ、めばちマグロ

※商品の詳細は店舗にご来店・お問い合わせください。