日本の台所「豊洲市場」2018年築地から移転した豊洲市場には、水産約500社・青果約100社の仲卸会社が存在します。「良い仕入れ・良い業者」を紹介する本サイトでは、豊洲市場で熱い想いを持って働く会社様にインタビューを行っております。

 

第9弾は、日本橋時代から常磐や東京湾の近海の鮮魚を扱う「有限会社山松」です。「より良いものをより安く」をモットーに、その長い歴史を引き継承されていらっしゃいます。日々のお客様との関係性から生まれる圧倒的な信頼性で、多くの飲食店や魚屋と取引を行う有限会社山松さん、今回はその長い歴史を背負う岡田誠社長のインタビューです。


見て・触って・気に入って購入してほしい


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本日はインタビューよろしくお願いいたします。

それでは早速ですが、「山松」さんの企業概要をお聞かせください。

 

岡田氏(以下:岡田)

市場がまだ日本橋にあった時から「山松」という屋号はあります、築地の時に祖父がやっていた「山松支店」と合体し、今の「山松」になりました。

当社は鮮魚の中でも「近海」の鮮魚を多く取り扱っております。店頭を見ていただければお分かりになるかと思いますがメインは東京湾の鮮魚、そして祖父の時代から繋がりがある漁師さんが常磐に多いことから常磐産の鮮魚も多く取り扱っております。

 

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現在、山松さんのお取引先はどのようなところが多いですか?

 

岡田

魚屋さん、飲食店がメインですね。昔に比べて魚屋さん自体が少なくなってきてますので、徐々に飲食店の割合が多くなってきています。スーパーやチェーン店ではなく、ほとんどが個人店とお取引きをさせて頂いております。鮮魚の品揃えはお寿司屋さんが利用する品種が多いのですが、最近ではイタリアンやフレンチなどの飲食店も多いですね。

というのも、私の同級生がフレンチ系のお店を経営している繋がりや、取引先のシェフが独立したときに新たなお店で取引がはじまったり、横の繋がりも強いですね。単価の幅は大きく、高級店からカジュアルなお店まで様々です。これから開業される飲食店さんもお力になれます。店舗の規模など関係なくお気軽にご相談頂きたいですね。

 

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イタリアンやフレンチが多いのは、正直意外でした!飲食店は豊洲に直接買いにこられる方も多いんですか?

 

岡田

そうですね、基本的には事前に注文を取る形ではなく店舗に来て、鮮魚を見て、触って、気に入って頂いたものを購入していただく方が多いです。私自身もやっぱりこのスタイルが好きなんですよね。店頭で並んだ魚を見て欲しいとは思ってます。

 


「社長が選ぶ魚だから安心できるよ!」大切なのは関係性


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そんなお客様が山松さんで取引をするメリット(ポイント)はどこにあるのでしょうか。

 

岡田

1番は、豊洲の中でも「より良いものをより安く」を提供できることだと思います。これがモットーなんですよね。「より良いもの」を求めてる方にはもちろんメリットがあると思いますし、珍しい魚をお探しの方もウチのお店は合いますね。それをより安く提供できるように心掛けております。もちろんイメージされている価格ではないこともあるかもしれませんが、より良いものを提供することが出来ているからこそ、お客様にご来店いただけるのではないかと思います。

 

飲食店さんは、「〇〇が欲しいから仕入れてほしい」「社長が選ぶ魚だから安心できるよ」とおっしゃって頂いたりもします。個々のお店の特徴や色、好みはもちろんありますので、仕入れする際にはお客様をイメージしながら買い付けを行います。そこが仲卸の醍醐味のひとつでもありますよね。

 

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そこまで考えて仕入れていただけるのは飲食店さんにとってはとてもありがたいことですね!「山松」さんがお客さんとのやり取りで意識されてることはありますか?

 

岡田

先程もお伝えしましたが…実際にお客様に同級生の友人がいるというのもあるかもしれませんが「友達」とは言わずとも、お客様とその様な「関係性」を築くことは意識してますね。もちろんお客様なのでバランスは大切ですが、そこから輪が広がれば良いなとも思います。


屋号を守る宿命


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先程いらっしゃったお客さんとも、とてもフランクにお話されていらっしゃいましたもんね!日本橋時代から歴史ある「山松」さんですが、これは先代から受け継ぐ文化なんですか?

 

岡田

前任の父親から私に継いだ時、シンプルに且つ1番大切ですが「潰すなよ。」の一言と一緒にバトンを渡されました。そこには屋号の長い歴史の中で、色々な意味がこもっているんですよね。正直、今回のコロナで4月などは本当にきつかったですね。

 

FC

メディアでは飲食店の話題が多かったですが、取引先である仲卸さんももちろん、大きな打撃になりますよね・・・。築地から豊洲に移転した時も大きな変化だと思いますが、そのときはいかがでしたか?

 

岡田

大きく変化したこととして、築地の時は従業員を配置してましたが豊洲の移転の際に駐車場が確保出来ず。。。今は配達スタッフと私とで行っています。仕方ない事ですが、流石に1人じゃ出来ないので配達スタッフの存在はありがたいですね。


世界の豊洲に


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今後のビジョンを教えてください。

 

岡田

時期が時期だからこそ、より強く暖簾を守ることに重きを置いています。最近は鮮魚のセリに出ている卸が20~30社くらい、注文票だけを見てオーダーする人が多くなっています。しかし私は自分の目で見て、良いものを、お客さんの要望に応えながら、適正な価格を付けています。暖簾を守る身として、日本の仲卸文化を守る身として、そのスタイルは変えたくないですね。それが「世界の築地」から「世界の豊洲」と呼ばれるようになる肝だと思っています。

 

FC

魚の価値を見極める目利き力、「世界の豊洲」となるようにという熱い想いが伝わりました!本日はありがとうございました!

 

【会社情報】

会社名:有限会社 山松

住所:〒135-0061 東京都江東区豊洲6-5-1 2087-88

電話番号:03-6633-4840

【取り扱い商品】

■近海魚・鮮魚

※商品の詳細は店舗にご来店・お問い合わせください。