日本の台所「豊洲市場」2018年築地から移転した豊洲市場には、水産約500社・青果約100社の仲卸会社が存在します。「良い仕入れ・良い業者」を紹介する本サイトでは、豊洲市場で熱い想いを持って働く会社様にインタビューを行っております。

 

第10弾は、40年前に自身で独立し、仲卸の道に進んだ「株式会社浦安田代水産」の斉藤進社長。取引先の飲食店には自らの足で訪問し、どのようなお店なのか、何を求めているかを見に行くという。自分たちが販売するものに自信があるからこそ、ダメだったら言ってほしい、そうならないように事前にコミュニケーションを取っているそうです。そんな浦安田代さんの歴史からこれからまで、赤裸々に語って頂きました。


独立の道


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最近豊洲の活気も戻ってきたきがします、本日あhお忙しい中お時間ありがとうございます!早速ですが、「浦安田代」さんの概要・歴史をお聞かせください。

 

斉藤氏(以下:斉藤)

私の身内が仲卸業をしていて、そこで働いていました。当時から「独立したい」と目標を掲げていて、約40年前に独立しました。ちなみに、親戚の仲卸もこの豊洲でやっています。

 

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1代目社長ということですね!独立された時に1番大変だったことはなんですか?

 

斉藤

正直に言うと・・・資金調達です。お金がなきゃ何も出来ませんからね。当時5千万円で出ていたお店を買うために必死に資金を貯めてたのに、5年後いざ買おうと思ったら1億円になってたんです。バブルの時代ということもあり、銀行にお助け頂きました。あの時が無ければ、今の商売はないです。

 

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独立した当時はどのようにお客様を獲得されてたんですか?

 

斉藤

いかに他のお店より安く売るかでしたね。他が千円で売ってるなら、自分は900円で売るとか、最初はそのようにしてました。それくらい必死で、当時はその方法しかなかったんです。段々とお客様が増えたのは、このような販売をしていた傍ら、京都伏見稲荷に行っては良いお客様とご縁がある様に、手を合わせていたんです。そのくらい必死でした。

 


自信があるからこそダメな時は言ってほしい。


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「浦安田代」さんの強み、そして取引先について教えてください。

 

斉藤

はい、強みとしては鮮魚、貝類も自信があります。千葉は貝が強いイメージはありますよね。取引先はホテルや納屋さん、お寿司屋さんです。規模は大きいところから小さいところまで、品物も安価から高価まで幅広いです。だからゆえ、どのようなお客さんにも対応が出来るのが特徴であり、強みです。もちろん多くのお客さんで溢れかえるのは理想ですが、このコロナの時代で、我々もお客様をしっかり知るということを意識しております。お客様との関係性ってやっぱり重要ですからね。長い目で信頼を作れるお店かどうかをしっかり見ております。

 

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仕入れを検討している飲食店は「浦安田代」さんにどのようなアプローチをするのが良いですか?

 

斉藤

先ずは電話からでもいいので相談して頂きたいです。客単価もお店によってそれぞれでしょうし、どんな味を好むのか、お問い合わせがないとお応えが出来ないですからね。価格で選ぶとしても、良いものは少し日が経っても鮮度が落ちなかったりしますが、安価の物は安価なりに日持ちが早いものもありますからね。お店が何を1番にするのか、というのもしっかりヒアリングします。

我々も販売するものに自信があるからこそ、お店に届けた瞬間にズレがある時は直ぐに言って頂きたいです。そこは我々も対応することができますし、そういう意味でコミュニケーションを多く取っています。

 


〝良い物〟の定義


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お店側も安心してオーダーできますね。セリに参加するときに意識してる事はなんですか?

 

斉藤

1番は自信を持って良い物を選ぶということです。良い物と言っても色々あります、魚の目がぼやけてないか、キリっとしているか見たり。ただ、中を開けてみて見ると、思い描いていたのとは違うものもあるのでそこは価格で調整します。店頭に並べるときも、品物を大事にすること、更に今日買ったものは最悪でも次の日に販売することを意識しています。鮮度が悪くなくても、3日、4日経ったものは取引先にとっても良くないですからね、そこはブレずに徹底していますね。

 

FC

そこから信頼が生まれるんですね。新規のお客さんが来るときに社長が意識することはなんですか?

 

斉藤

やはりどんなお店で、何を提供するのかを聞くこともですが、実際にお店に行ってみます。単価なども見て、品物を変える提案をしたりするんです。

 

FC

社長の本気さがお店さんにも伝わりますね。ちなみに配達・配送などは行っていますか?

 

斉藤

新宿などの都内、羽田などは自社で配達してます。それより遠いところは共配で対応してます。

婚礼がめっきりないので、ホテルを多くの取引先としている私たちは、正直頭を悩ませています。だからこそ、これからは個人の飲食店や魚屋からのお問い合わせは嬉しいです。現在は最低でも5千円以上の注文で、配達をさせて頂いております。

 


友達みたいに接すること


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今後も大切にしていきたい、残していきたいことはなんですか?

 

斉藤

大切なのはお客さん、コミュニケーションです。取引をしっかり成立したいからこそ、私はお店に行って、自分の目で確かめたいんです。そこでアドバイス出来ることはしていきます。友達みたいに本音で語っていきたいんです。1度来て頂いた際は、気軽にお声がけ頂きたいです。

 

FC

気さくな社長のお陰で、今回のインタビューも楽しくお伺いできました!熱いお話ありがとうございました!