日本の台所「豊洲市場」
2018年築地から移転した豊洲市場には、水産約500社・青果約100社の仲卸会社が存在します。
「良い仕入れ・良い業者」を紹介する本サイトでは、
豊洲市場で熱い想いを持って働く会社の社長様にインタビューを行っております。

 

記念すべき第1弾は「旬と産地」にこだわる水産仲卸会社「有限会社尾邦」様です。
明治23年創業の老舗店。
旬と産地にこだわる尾邦は、店頭で売られている魚にも産地記載がされております。
そして店頭での商品陳列は、豊洲の中でもトップクラスの見栄え。
会社の魅力から若者の魚離れまで…
現在三代目の社長である、三浦伸浩さんにお話を伺いました。


|旬の時期に旬のモノを販売する、それが一番おいしいから


 

FC:豊洲市場の中に数ある水産の仲卸さんの中で、尾邦さんはどのような会社か。まず三浦さんがこだわっていることや会社の強みを教えて頂いてもよろしいですか?

三浦:尾邦は僕で三代目になる会社なんですよね。活魚と鮮魚を中心に販売していて、豊洲の中では特に「あんこうとフグ」には強い会社です。築地時代から大切にしていることは『旬と産地』。結局、その時期に旬な魚を旬なうちに食べるのが一番おいしいんですよ。なので、セリ場に行って旬な良い魚を選んで販売する。これが僕が考える基本ですね。

FC:そうなんですね。では、三浦さんが考える「旬な良い魚」ってどのようなものになるのでしょうか?

三浦:そこが「メキキ」って呼ばれるものなのかなぁ。例えば同じアカムツでも九州とかのアカムツは脂があるけど、静岡のアカムツは脂が少ないんですよね。ただこれってどちらが良いというものでもなくて、飲食店によってどちらのアカムツでも欲しい方はいるんですよ。そこに合わせて「旬な魚」を選んでくるのが僕らの仕事なんでしょうね。そういうこともあって「産地」にも特にこだわりを持っています。金額を考えなければ良い商品はたくさんありますから。お客様が使える金額の中で良い商品を探してくる。魚はいま市場外でも買えますが、お客様の要望に近い良い魚をお客様のために探せるのが僕らの仕事になりますね。

FC:そういうお客様との信頼関係って大切ですよね。ちなみに尾邦さんが特に強い商品ってどういうものになるんですか?

三浦:冬場は「あんこう」ですね。肝は通年を通して扱っています。代々受け継いできていることなのですが、あんこう供養も行っているんですよね。初代が築地の波除神社にあんこう塚を立てましてね。2代目からあんこうを販売する時期に、あんこうの素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいという想いもあり始めております。

 


|魚が生きて泳いでいるように見える並べ方を心掛けています


 

 

FC:築地時代から思っていたことなのですが、尾邦さんって本当に店頭の魚の陳列が綺麗ですよね?これって何かこだわりを持って行っていることですか?

三浦:お店に来てくれる方々は、せっかく豊洲市場まで買いに来てくれているお客様ですからね。やっぱり良い商品を選んで頂くために陳列には気を遣っていますね。基本的なことですが、魚は左側が頭であることであったり、僕自身が左利きなのもあるのですが、右利きの人が魚を取りやすいように並べてみたり。スーパーとかに買い物に行くと「どういう風に考えて陳列してるのかなぁ」という目で見てしまったりしますね。最近は、キンメとかキンキとか…赤い魚を並べるようにもしています。赤い魚は華やかだし綺麗に見えますからね。一番心掛けているのは、魚が生きて泳いでいるように見えるようにすることですね。

FC:「泳いでいるように見せる」とは…そこまでこだわりを持たれているのですね。お客様に対する想いが伝わりますね。ちなみにいま尾邦さんが販売されているお客様の特徴とかってあったりしますか?

三浦:まぁ色々と幅広く販売させて頂いていますが…あまり大きい飲食店はないですね。お寿司屋さんとか居酒屋さん、和食屋さん。最近ではダイニングバーとかも販売させて頂いております。もちろん敷居も高くしていませんし、店頭では一匹売りも行ってますからね。初めて市場で魚を買う人に買いやすいような取り組みもしております。やっぱり旬や産地について質問をしてくれるお客様も多いですね。

FC:確かに、尾邦さんの店頭を見てると話しかけやすそうですよね。市場って一見怖そうな雰囲気もあるので、そういう雰囲気って大切ですよね。

三浦:そうですね。店頭では、遠慮せずに質問してほしいですね。

FC:話題は変わるのですが…「若者の魚離れ」って最近よく聞くのですが、この点について三浦さんとしてはどうお考えですか?

三浦:時代もあるんでしょうけど、肉に比べると魚って高いんですかね。あとは、肉ってそれ1つでおかずになりますもんね。ステーキとか焼肉とか…。魚って何かしらの材料と合わせて使うケースが多いので、そういう点も懸念されているんですかね。ただ「魚食」ってやっぱり大切だと思っていまして、尾邦でも色々な取組みはしております。例えばNHKさんの「ひるまえほっと」にも時々出演させて頂いているのですが、この番組も若い人たちに向けて魚に興味を持ってもらえるようにご協力をさせて頂いております。主婦層の方が多く見られている番組だと思いますが、魚を分かりやすく紹介して料理までしてくれるのはありがたいですね。今後も機会があれば「魚食」のためにご協力させて頂ければと思っております。

 


|漁師さんとも情報交換して「WIN-WIN」な関係を作りたい


 

 

FC:最後の質問になるのですが、尾邦さんにとっての今後の夢とかってございますか?

三浦:やっぱり若い人たちにたくさん魚を食べてもらえるように、色々と活動していきたいですね。最近「適当に色々入れて下さい」みたいな話もよくあるのですが、やっぱりその時期の旬な魚を提供したいですし、そういう旬を分かりやすく説明していきたいですよね。最近ある漁師さんともコミュニケーションを取る機会があったのですが、漁師さんも若い人が減ってきているらしいんですよね。漁師さんの話を聞いていると、仲卸目線から見て色々と力になれる情報を提供することも出来るのかなと感じました。漁師さんがひと手間加えるだけで付加価値が付くようなこともあったりすると思うんですよね。そういう情報共有をすることで、漁師をやりたいっていう若者が増えたり、我々は旬な良い魚が買えるようになったり。やっぱり漁師さんとも情報交換して「WIN-WIN」な関係を作っていきたいですよね。そうすればもっとお客様に対しても旬な魚を提供していけると思っております。

FC:「WIN-WIN」って素敵ですね。今回はお時間を頂いてありがとうございました。

 


【会社情報】

会社名:有限会社尾邦

住所:東京都江東区豊洲6-5-1(店番:5083~5084)

公式HP:http://www.tsukijiokuni.com/

電話番号:03-6633-5033